アイン・ランドの思想と『肩をすくめるアトラス』

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/fcu/metadata/11974
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タイトル
アイン・ランドの思想と『肩をすくめるアトラス』
別タイトル
Ayn Rand’s Objectivism and Atlas Shrugged
著者
氏名 藤森 かよこ
ヨミ フジモリ カヨコ
別名 FUJIMORI Kayoko
キーワード
客観主義
理性
利己主義
利他主義
資本主義
Objectivism
reason
egoism
altruism
capitalism
抄録

1930年代ニューディール(New Deal)政策の社会主義的,統制経済的政策は,アメリカ精神の劣化をもたらしたと考えた人々は,アメリカのソ連化を阻止するべく結集し,保守主義陣営を結成した.彼らは,ソ連からの亡命者アイン・ランドの作品がアメリカ的価値観や自由放任資本主義を祝福するものであったので,彼女を大いに歓迎した.しかし,それもランドが1957年に『肩をすくめるアトラス』(Atlas Shrugged)を発表するまでのことだった.
アイン・ランドをアメリカの主流保守言論界から追放し,かつ文化左翼リベラル系知識人をしてランドを蛇蝎視させることになった『肩をすくめるアトラス』は,アイン・ランドが「客観主義」と名づけた哲学を基礎としている.「客観主義」は,形而上学的には客観的現実(Objective Reality),認識論的には理性(Reason),倫理的には自己利益(Self-interest),政治的には自由放任資本主義(Laissez-faire Capitalism)の立場を採る.
ランドは,地上のことは,人間の有能さと努力と創意工夫が解決するべきものであり,人間に責任があることを指摘した.その意味での人間の英雄性を肯定し,無神論を支持した.また,利他主義の欺瞞性を指摘し,個人の長期的視野に基づいた徹底した利己主義の発露こそが,個人の集積である社会に平和と秩序をもたらすと主張し,その文脈から自由放任資本主義を唯一の道徳的体制として支持した.『肩をすくめるアトラス』は,出版以来,アメリカの草の根の国民文学であり続けている.

掲載雑誌名
都市経営 : 福山市立大学都市経営学部紀要 = Urban Management : Bulletin of the Faculty of Urban Management, Fukuyama City University
2
開始ページ
113
終了ページ
128
出版年月日
2013-03-15
出版者
福山市立大学都市経営学部
ISSN
2186-862x
NCID
AA12564315
責任DOI
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
旧URI
区分
fcu