"A Study of English and Japanese Sound Systems for Teaching of Speaking"
URI | http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hbg/metadata/11330 | ||||||
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ファイル |
19-2.pdf
( 3.0 MB )
公開日
:2013-02-08
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タイトル |
"A Study of English and Japanese Sound Systems for Teaching of Speaking"
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別タイトル |
スピーキング教育のための英語と日本語の音声体系の比較研究
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著者 |
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内容記述 |
近年における日本の外国との貿易の著しい増加は,急速な国際関係の緊密化をもたら,日本社会に話せる英語教育の必要性を痛感させてきているが,学校における英語教育は未だスピーキングに主眼をおいた教育を行なっていないのが実態ある。その理由は,日本の入試制度等,いろいろ考えられるが,英語教師自身がスピーキング教育への第1関門といえる英語音声の発音を教えるのに必要不可欠である言語学上の知識を十分に蓄積していない場合が非常に多いという事もあげられるのではないだろうか。著名な構造言語学者であり且つ外国語としての英語教育における大権威者でもあるミシガン大学のフリーズが言っている様に ,正確な英語音声の発音を教育するためには,英語音声と日本語音声を科学的に分析し比較した言語学上の知識,つまり音声学上の知識は絶対不可欠であるといえる。との論文の中では,英語の発音教育において特に重要で且つ役立つと考えられる音声学,音韻論及び超分節要素の基本的な知識を,英語と日本語との音声体系の比較の形で科学的な各種の研究結果に言及しながら検討してみた。英語の母音については,米国語と英国語聞の差異,又,地域的な方言等の変化も存在するのであるが,一般論としては,全体で13種類ある事が広く受け入れられている。これに対して日本語の母音は5種類しかなく,それらは母音表を作ってみると,互いに接近し中央部に集まった形になる。この事は,逆にいえば,日本語の母音が舌の上下及び前後の動きが少ない状態で発音され,結果的に唇の動きも少ない事を意味する。実際に,例えば英語においては舌を最も上方且つ後の方に動かし唇を円形して発する/u/の音素も,日本語においてはしばしば舌の位置が低いまま,やや後方に舌を動かし平たく緊張していない唇の形で「ウ」と,発音される。以上の事実より,日本人が正しく英語の13種類の母音を発音出来るようになるためには,舌の上下及び前後の動き,そして唇の動きを著しく増加させる事が必要不可欠であるといえる。その他,日本語の母音においては,その長さが英語の場合よりも遥かに重要性をもつ,又,無声の母音が特定の条件のもとで存在する等の特徴が挙げられる。子音については,子音表を作成して比較してみると,英語と日本語の間にかなりの差異がある事がよく分かる。その差異は摩擦音の部分においてこ顕著で,英語においては使用頻度の高い唇歯部及び舌歯部で発音する子音は,日本語には全く存在していない。この事実より, 日本人が英語の子音を正しく発音出来るようになるためには,乙の摩擦音の発音方法の完全習得という事が,特に重要であるといえる。又,日本語においては,子音は/n/の音素を除いて常に母音が後にくっつく形でしか発音されず,この音節と,個々の子音の音素との根本的な差異を明確に理解してない限り,日本人にとって英語の正しい発音は出来ない。超分節要素に関しては,日本語が声調言語,つまり主に音の高低の変化によって意味を伝達する言語であるのに対し,英語はアクセント言語,つまり主に音の強弱の変化によって意味を伝達する言語であるという大きな差異が存在する。この事実より,日本人にとって,正しい英語発音を習得するためには,アクセントの定義及びその英語における重要性を完全に理解する必要がある。この研究の結論として,日本の英語教師が最重要視しなくはならない次の3つの総括的な重点教育項目を提案する: 1) 英語の母音表の四隅の音素,つまり/i/ /?/ /?/ /u/の正しい発音を教育する。これは日本人の唇及び舌の動きを増加させる事に直接結びつく。 2) 英語の摩擦音の正しい発音を教育する。 3) アクセントの定義を正確に教育する。 |
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掲載雑誌名 |
広島文化女子短期大学紀要
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巻 |
19
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開始ページ |
19
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終了ページ |
26
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出版年月日 |
1986-09-15
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出版者 |
広島文化女子短期大学
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ISSN |
09137068
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NCID |
AN00213869
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本文言語 |
英語
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資料タイプ |
紀要論文
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著者版フラグ |
出版社版
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旧URI | |||||||
区分 |
hbg
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