3・11以後の「子ども学」の構想 : 子どもの<命>を守り育む実践学

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hbg/metadata/12129
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タイトル
3・11以後の「子ども学」の構想 : 子どもの<命>を守り育む実践学
著者
氏名 小笠原 道雄
ヨミ オガサワラ ミチオ
別名
キーワード
共感
恊(共)働
共通知(臨床の知)
抄録

3.11 の歴史的な大災害を体験して,わが国の「子ども学」は新たなステージに突入したと考えられる。それは子どもの成長・発達の機序の理解や子どもの存在についての把握の学から,子どもの<命を守り育む>臨床的な「子ども・子育て支援」という実践学への進化である。本稿ではわが国の『子ども学』が「児童研究」を端緒とし開始され,体制化されたアカデミズムのなかで「学科(disciplin)」として自立化する過程をたどり,60 年代,人間科学の「総合学」として心理学からの「人間関係学」,教育学からは「教育人間学」の展開として歴史的に精査した。結論として,現象学的手法による「子どもの人間学」(M.J.ランゲフェルド)研究が,「子ども学」の場合,「学際研究」のひとつとして位置づけられた。しかし3.11 の悲惨な国民の体験は,子どもの理論的理解やその把握を土台にしながらも具体的な保育・教育の場における保育者・教育者は無論のこと,保護者や子
ども達を含めてその<命>を守り育むことを目標に,「恊働」による「臨床の知(恵)」を求める実践学への深化が必然となった。
本テーマでは教育学の原点に立ち返り,この必然となった「子どもの<命>を守り育む」ための教育的<術>としての『教授学(Didaktik)』,具体的には,その「カリキュラム」化や「方法(メトーデ)」を提示することを課題とするが,本稿はその構想の前提条件の精査,考察である。

掲載雑誌名
子ども学論集
1
開始ページ
1
終了ページ
13
出版年月日
2013-04-30
出版者
広島文化学園大学学芸学部子ども学科
ISSN
2187-8145
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
区分
hbg