「75 年は草木も生えぬ」という言説から : 原子力破局の時代における教育学の課題

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hbg/metadata/12141
File
Title
「75 年は草木も生えぬ」という言説から : 原子力破局の時代における教育学の課題
Author
氏名 小笠原 道雄
ヨミ オガサワラ ミチオ
別名
Abstract

 本稿は、ドルトムント工科大学主催の国際研究会のテーマ、「原子力破局の時代における陶冶と教育―‘原子力破局’の同時代的理解と教育学の責任問題」1)を把握するために、核エネルギー問題の原点、広島、長崎における放射線災害の実相やそれに対する科学者の態度、とりわけ教育研究者の責務を明らかにすることを目的としている。
 1945 年8 月6 日、人類史上初の<原子爆弾>が広島に投下された。被爆70 年の節目の歳を迎え被曝地広島の一教育研究者として論者は、改めて<原爆>投下の意図やその実相、そして放射線災害に関するより具体的で正確な理解をしなければならない、そしてそれに基づく科学者の態度、ないし科学者の責務を明らかにしなければならないと強く意識することになった。それは決して原爆投下を声高に一方的に非難し、断罪し、叱責したりすることではない。非人道な被害の実相に目を向けることによって被爆(者)と加害(者)の両者に横たわる認識の溝を埋めねばならないという強い思いと共に、対話と共感によってその認識の溝を埋めて、人類が共存するためにはその原点に<教育と陶冶>(Erziehung und Bildung)による以外に道はないと考えるからである。今この認識の溝を埋め、「非人道性という新たな尺度を加える」(ペーター・マウラー)<平和教育>こそが教育学の重要な課題として求められている。

Journal Title
子ども学論集
Volume
2
Spage
15
Epage
26
Published Date
2015-03-10
Publisher
広島文化学園大学大学院教育学研究科
ISSN
2187-8145
Language
jpn
NIIType
Departmental Bulletin Paper
Text Version
出版社版
Set
hbg