わが国の女子教育政策と看護系高等教育の整備・拡充の歴史

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hbg/metadata/12605
File
Title
わが国の女子教育政策と看護系高等教育の整備・拡充の歴史
Author
氏名 佐々木 秀美
ヨミ ササキ ヒデミ
別名
Subject
女子教育政策
看護系高等教育
東京大学衛生看護学科
高知女子大学看護学科
看護学の学問探求
Abstract

本論は,ナイチンゲールの看護の本質論を踏まえて,戦前から引きずっていた女子教育政策の概要と高等教育改革への取り組みと,戦後の女子教育政策及び看護の高等教育への取り組みについて東京大学衛生看護学科及び高知大学の開設について検証,高等教育に求められた看護学の学問的探求について若干の検討を加えたものである。
 ナイチンゲール方式を取り入れた我が国とアメリカでは,その取り組と発展には相違があった。アメリカの看護師たちは早々に病院附属の看護師養成から,独立した看護の教育機関での教育が専門職たりえたると考えたのに比して,わが国は病院附属に固執したがために,高等教育への道を自ら逃してしまったと言わざるを得ない。GHQ の看護教育改革では,国家的に整備された教育体制の中で発展する事を望んだと思われ設立された東京大学衛生看護学科は,大学自体からの自発的意思でなかったことと,東京大学の教育理念と教育環境が看護学科と相いれない要素があったこと,看護の学問探求に固執したことが失敗につながった。他方,高知女子大学は,家政学部への看護学科設立であったが,設置された土地の思想的土壌と県民の理解により学問探求という課題は残されたが,その教育は着々と推進された。看護学の学問探求という意味で,人間がその生命を受けた瞬間からその自然の法則にしたがって生活することができるように成されるものであるとしたら,又,自然が人間に与える生活事象に対してうまく対処でき,適応して生活していく人間に関して行われるものなら,その基本的な要求に関しての側面からの援助といったことであっても,自然の法則的側面から学問的に発展させられた事は論議の余地はない。が,この基本的と言ったことに限定した事に日本での学問的探究の狭さがあったと考える。ナイチンゲールの考えでは常に理論と実践の一致であり,それに対して女性達に知性,倫理的行動力,情熱を授ける事であった。知的,道徳的及び応用的能力を展開させる事を目的とする大学教育の目的はまさに彼女の理念そのものであり,看護の本質探究である。看護が伝承してきた課題でもある。

Journal Title
看護学統合研究
Volume
23
Issue
2
Spage
1
Epage
18
Published Date
2022-02-15
Publisher
広島文化学園大学 看護学部
ISSN
1346-0692
Language
jpn
NIIType
Research Paper
Text Version
出版社版
Set
hbg