アプローチ期における規範意識育成の実践報告

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hbg/metadata/12618
ファイル
タイトル
アプローチ期における規範意識育成の実践報告
別タイトル
Practical report on the development of normative consciousness in the approach period
著者
氏名 二階堂 年惠
ヨミ ニカイドウ トシエ
別名 Toshie Nikaido
氏名 合原 晶子
ヨミ ゴウハラ アキコ
別名 Akiko Gohara
キーワード
幼児教育 Child Education
規範意識 Model Consciousness
人間関係 The Human Relations
アプローチ期 Approach Period
抄録

 国立教育政策研究所は、接続期カリキュラムを、アプローチカリキュラム(5 歳児9 月頃~3 月まで)と、スタートカリキュラム(小学校入学~1年生の1 学期終わりまで)とに分類している。アプローチ期の幼児たちは、自己主張をすることは出来ても、自己抑制に欠け、自分の気持ちを調整する力がまだ育っていない。友達との折り合いを付ける体験を重ねていく度に、自分はどうしたらよいのかという機会を持つことで、気持ちを調整しながら活動を進めていく時期である。遊びを通して、順番を守る、譲りあう、交代するなどのルールを守れるようになる場面を設定し、ルールを守らなかったために起きたトラブルに対しては、出来るだけ子どもたち同志で解決出来るように促し、場合によって教師が仲立ちし、どうすれば良いか、子どもたちで考える機会を持たせることが必要である。
 このような5 歳児における発達段階を考慮して構想した「かるた遊び」を実際の幼稚園において、実践することが出来た。実際の場面では、幼児主体の実践を行うため、幼児たちに自分たち自身で役割を決めさせたり、トラブルになった時に教師は、幼児たちに自分たち自身で解決できるような支援を行った。振り返りの際、幼児が遊びの中で生じたトラブルについて,子どもたちから困った事や嫌な気持ちになったことを発表させ、それらについて子どもたちと一緒になって考え、かるたは、「かるたを読んでいる人の手元を見ない」等のルールを決めていくことが出来た。
 今回のかるた遊びを通して、子どもたちが葛藤体験を経験し、教師による適切な支援により、ルールの必要性に気付かせることが出来、子どもたちが自分の気持ちを自身で調整しようとすることによって、規範意識の芽生えを育み、5 歳児段階の規範意識の醸成といった役割の成果は果たせたのではないかと考える。今後は、小学校段階への連携を視野に入れながら指導計画を開発し、実践していきたい。

掲載雑誌名
子ども学論集
8
開始ページ
11
終了ページ
21
出版年月日
2022-03-20
出版者
広島文化学園大学大学院教育学研究科
本文作成日付
2022-03-31
ISSN
2187-8146
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
区分
hbg