看護師の看護実践能力について,平成14年度の学部の卒業論文「キャリア発達毎の看護師の実践能力」で,経験別に看護過程を展開し,看護計画を立案してもらったものから,キャリア発達毎の看護実践能力を明らかにしようとした。しかし,個人がどう考え,どうケアしていきたいと考えているかは,文脈からは読み取るのは困難であり限界があった。また,看護実践能力の尺度についてもあいまいで評価しにくいものであった。そこで,看護実践能力を明確にするために,看護実践能力についての定義づけとその必要性を述べている。そして,ここで明らかにする看護実践能力は,実際行われている看護行為とする。看護行為は,毎日行われているもので,なおかつ患者の状態によって工夫される,全身清拭,体位の工夫,口腔ケアを選定している。看護行為を観察する視点は,ブルームらの教育目標の分類,認知・情意・精神運動領域の枠組みで考えた。この観察視点を使用して看護実践能力を明らかにする指標にする。