グローバル人材育成論の教育思想の探求ー3種類の分析概念による検討を通じてー

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hirokoku-u/metadata/12271
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タイトル
グローバル人材育成論の教育思想の探求ー3種類の分析概念による検討を通じてー
著者
氏名 角谷 昌則
ヨミ カクタニ マサノリ
別名 Kakutani Masanori
抄録

 学習指導要領の改訂を約1年後に控え、これから日本の教育がどういったコンセプトで何を重点的に行っていくのか、文部科学省からさまざまな機会やメディアを通して漏れ聞こえてくるようになった。
’グローバル人材の育成’や’課題解決型学習(アクティブ・ラーニング)’の導入は、特によく聞かれる内容のように思われる。特に前者については、初等教育レベルでの英語教育の強化、中等教育レベルでの国際バカロレア制度の活用やスーパーグローバルハイスクールの認定支援、高等教育レベルでのスーパーグローバル大学の認定支援や外国人留学生受け入れ増強など、学校教育制度の全てを使っての具体的な施策が着手実行され始めた。こうして見ると、グローバル人材の育成政策は次期学習指導要領にまつわる一時的なトレンドと捉えるには規模が大きいものであり、これからの日本の教育のあり方に規範的に影響していく可能性が十分にある。
 しかし、日本はなぜグローバル人材の育成に向けて多大な努力をしてゆかねばならないのか、その理由がはっきりしない。例えば、文部科学省のスタッフによる説明では、Appendix1および2にあるような形での理由付けが披露される。例えばAppendix2の「子どもたちの未来」というタイトルのスライドを見ると、これからしばらく後には現在の就業形態が大きく様変わりする旨の言が並べられているが、このように事実なのか仮設なのか分からない未来予測が持ち出されている。しかも経済的な面のみに関するものであり、さらに日本政府や日本社会が追求する望ましい将来図が示されているものでもない。スーパーグローバル大学に選定された37大学への支援事業だけでも10年間にわたり約1000億円の税金が投入されるわけだが、そうした大規模な教育政策を展開する根拠としてはあまりにも思想的に貧弱と言わざるを得ないのではないだろうか。
 そこで本稿では’グローバル人材の育成’に存在する思想的な要素を探り、その教育原理的な様相を考察する。方法としてはこれまで教育学が培ってきた理論的枠組みなどを用い、この’グローバル人材育成論’を3つの視点から分析的に検討してゆく。最後にはその思想的特徴を活かすために必要で、かつ学校現場にも反映できるような実際的な事柄についても言及したい。

掲載雑誌名
広島国際大学心理学部紀要
3
開始ページ
9
終了ページ
19
出版年月日
2016-03-01
出版者
広島国際大学心理学部
ISSN
2188-3734
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
ソートキー
2
区分
hirokoku-u