ケアワークとボランティア : ケアにかかわる領域はどのように専門職化するのか?

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hkg/metadata/12018
ファイル
タイトル
ケアワークとボランティア : ケアにかかわる領域はどのように専門職化するのか?
別タイトル
Care Work and Volunteer : How the Care Workers Become Professional
著者
氏名 竹中 健
ヨミ タケナカ ケン
別名 Takenaka Ken
キーワード
care work
volunteers
professionalize
抄録

The purpose of this paper is to analyze how care workers develop professionally in our society. It concludes that while the government is eager to control care workers, it does not recognize the behavioral inefficiencies contributing to the insufficient mobilization of care workers into our hospitals and care workers’ offices. Too few hospitals and care workers’ offices exhibit eagerness to educate their care worker staffs properly, and a possibility arguing for specializing care work socially is explored. Finally, the process of specializing care work jobs is investigated through the analysis of a case involving hospital workers’ annoyance with their occupational position.

平均寿命が世界第一位の日本において,介護を必要とするようになった高齢者の生活の質は,どのように担保されているのか? 本研究は,高齢者のケアにかかわる労働者の地位と労働環境をみることから,その問題点を確認し,高齢者介護の質の向上につながる知見を提供することを目的とする。本稿では,まず介護労働者の地位に着目する。介護労働は,はたして「専門職」化していく可能性はあるのか? 現状においての評価は,高度な技術や知識を教育するという意味においての「専門職」化は大きく取り残されている。その一方で,フリードソンのいうもう一つの意味での「専門職」化は,着実に進んでいるように見える。国家・行政により管理・支配される従属的な地位として排他的職業権益のなかで,介護労働者は,安価で不熟練の数多くの非正規雇用労働者によって,介護行為を経済行為として成り立たせるべく現場に投入されている。事業所のぎりぎりの努力によって彼ら彼女らは雇用され,時には本来の福祉理念とはかけ離れたところで介護が実践されるケースも多く存在する。本稿では,20年にわたり施設での介護労働にかかわってきた現場経験をもちながらも,たとえ毎日直接介護にあたる患者のケースについてすら,胃瘻導入の意思決定にもかかわることができないある男性介護職の事例をみることから,ケアにかかわる専門職としての地位とあるべき役割について考察する。

査読の有無
査読有
掲載雑誌名
広島国際学院大学研究報告
48
開始ページ
17
終了ページ
26
出版年月日
2015-12
出版者
広島国際学院大学
ISSN
1345-3858
NCID
AA11419398
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
区分
hkg