内示生産システムにおける需要の不確実性への対応

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hue/metadata/12258
ファイル
タイトル
内示生産システムにおける需要の不確実性への対応
別タイトル
The Response to Demand Uncertainty in the “NAIJI Production System”
著者
氏名 上野 信行
ヨミ ウエノ ノブユキ
別名 Ueno Nobuyuki
キーワード
内示生産システム
不確実性
内示情報
確定注文情報
リスク
リードタイム
部品共通化
フレキシブルライン
フレキシビリティ概念
抄録

内示生産システムは,自動車産業において完成車メーカーが部品サプライヤーへ事前に「内示情報」を提示し,自社の生産開始直前に「確定注文情報」を伝達し,自社の生産に同期して,部品の納入を要請する仕組みである.生産内示により,完成車メーカーは,多様化する顧客のニーズに柔軟に応え,短い納期で多種の部品を安定かつ大量に確保でき,一方,部品サプライヤーは,内示情報を参考に原材料,部品の購買・生産準備に着手することができるために,膨大な製品在庫を保有することなく,安定的な供給を実現している.

しかし,内示情報は,あくまで完成車メーカーの調達部門が提示する「確定注文情報を予想可能な先行需要情報(Advance demand information)」であるが,「確定注文情報と完全に一致する情報ではなく」,したがって,内示情報を基準に生産計画を作成すると,日々の生産量と確定の納入量に差異が生じる.この為に,内示生産システムには不確実性が内在しているといえ,このことが工程管理を複雑にしている.

本論文は,著者の先行研究を踏まえ,内示生産システムに含まれる内示情報と確定注文情報の間にブレが生じるメカニズムを概観する. 内示数量と確定注文数量の間に表れる需要量の変動(ブレ)によって引き起こされるリスクを不確実性リスクと呼ぶ.不確実性リスクに対応する部品サプライヤーの生産対応形態を3種類のリードタイムを用いてⅠ型,Ⅱ型,Ⅲ型の3つに分類し,それぞれに存在するリスクを明らかにし,需要の変動を「需要量の期待値の変動」と「需要量のバラツキ」に分け,それぞれの要因から生み出されるリスクへの対応策を述べる.これらの対策により,不確実性リスクが低減できることを示す.この上で,地元の部品サプライヤーが行っている不確実性を低減する取り組みについてヒアリング調査結果を示す.リードタイムの短縮,部品共通化,フレキシブルラインなどの対策が効果的である.最後に,従来の先行研究では,製造工程のフレキシビリティの概念のもとに提案されている操作概念では,不確実性リスクに対する考慮が充分でないことを示し,今後の研究への期待を述べる.

掲載雑誌名
広島経済大学経済研究論集
39
3・4
開始ページ
1
終了ページ
12
出版年月日
2016-12-31
出版者
広島経済大学経済学会
ISSN
0387-1436
NCID
AN00212083
責任DOI
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
区分
hue