日本の相続法における特別受益制度と相続税法に関する研究

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hue/metadata/12428
File
Title
日本の相続法における特別受益制度と相続税法に関する研究
Title Alternative
Research on Special Beneficiary System in Japanese Inheritance Law and Inheritance Tax Law
Author
氏名 餅川 正雄
ヨミ モチカワ マサオ
別名 Mochikawa Masao
Subject
トリレンマ
具体的相続分
特別受益の持ち戻し
相続時精算課税
Abstract

本研究は,我が国の相続法における「特別受益制度」の諸問題と関連する相続税法の問題を明らかにすることを目的としている。具体的には,次の五点について考察した。第一に「具体的相続分」という概念がどのようなものかを検討した。具体的相続分とは,共同相続人間の実質的公平を図るため,「特別の受益」や「特別の寄与」が考慮された計算基準としての相続分の概念であり,実体法上の権利ではないことを確認した。第二に,遺産分割の調整制度として「特別受益」・「寄与分」・「遺留分」の三者の関係がトリレンマ(=三竦み)の状態になっているという形を簡潔に図で示した。筆者は,遺留分制度を重視して,トリレンマにはなっていないと考えている。第三に,特別受益の発生事由として「生計の資本として受けた贈与」をどのように判断するのかを具体的な例を基に考察した。その結果,その家庭の状況によって変わる「通常の扶養の範囲内であるか?」が判断基準になっており,一定の基準が設定できないという問題を指摘した。第四に,民法上の特別受益と相続税・贈与税の関係についても論及し,遺贈には相続税が課税され,生前贈与には相続税よりも高税率の贈与税が課税されている理由を示した。第五に,特別受益と遺留分の関係を検討し,遺留分が特別受益よりも優先されていることを明らかにした。

Contents

1.はじめに 1.1研究の前提 1.2研究の背景 1.3「具体的相続分」という法律上の概念 1.4問題意識 1.5研究の目的 1.6筆者の立場
2.特別受益の控除制度についての考察 2.1特別受益の控除制度の意義 2.2特別受益の発生事由 2.2.1婚姻のときの贈与 2.2.2住宅資金や事業資金の援助 2.2.3高等教育の学資提供 2.2.4生命保険金 2.2.5死亡退職金 2.2.6遺族年金 2.2.7土地や家の無償使用 2.2.8借金の肩代わり
3.特別受益のある場合の相続分の計算 3.1特別受益の財産評価時点 3.2特別受益の持ち戻し免除
4.特別受益と相続税・贈与税の問題 4.1遺贈に相続税が課税される理由 4.2生前贈与に贈与税が課税される理由 4.2.1暦年課税 4.2.2贈与税の特例 4.2.3相続時精算課税制度 4.3相続開始前3年以内の贈与
5.特別受益と遺留分の関係 5.1特別受益は遺留分算定の基礎財産額へ参入 5.2特別受益と遺留分減殺請求の対象 5.3遺留分減殺請求の効果
6.おわりに

Journal Title
広島経済大学研究論集
Volume
42
Issue
1
Spage
11
Epage
31
Published Date
2019-07-31
Publisher
広島経済大学経済学会
ISSN
0387-1444
NCID
AN00408380
Self DOI
Language
jpn
NIIType
Departmental Bulletin Paper
Text Version
出版社版
Set
hue