リカードウの生産奨励金論について

URI http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/onomichi-u/metadata/3012
ファイル
タイトル
リカードウの生産奨励金論について
別タイトル
A Note on D.Ricardo's On Bounties on Production
著者
氏名 佐藤 滋正
ヨミ サトウ シゲマサ
別名 Sato Shigemasa
キーワード
生産奨励金
輸出奨励金
租税
A.スミス
D.リカードウ
抄録

本稿は、リカードウの「生産奨励金論」(『経済学および課税の原理』第23章)を考察したものである。(二)で要約をおこない、(三)では、叙述中に確認される多くの「仮定」を中心にして、同章が提出している理論問題を三点摘出した。すなわち、(1)生産奨励金と租税徴収とのバランス論によって、「政府」と「消費者」の固有の意味が明らかにされ、また諸収入(地代・賃金・利潤)間の階層性が照射されていること、(2)需要不変という限定的な仮定を採ることによって「需給構造」「資本移動」「価格変動」についての理論的凝集状態がもたらされたが、そのことが逆に価格論展開への端緒を与えていること、(3)外国貿易捨象の仮定によって、スミスの"穀価波及説"批判のための適切な推論形式が確保されたこと、である。第23章は、第22章(「輸出奨励金論」)とともに、一国に及ぼす奨励金の弊害を説くものであるが、このわずか7つのパラグラフから成る短い章の理論的意義は大きいと言える。

内容記述

尾道大学

論文

Article

掲載雑誌名
尾道大学経済情報論集(2011年度まで)
3
1
開始ページ
19
終了ページ
32
出版年月日
2003-06-30
出版者
尾道大学経済情報学部
ISSN
1346-9991
NCID
AA11597272
責任DOI
本文言語
日本語
資料タイプ
紀要論文
著者版フラグ
出版社版
旧URI
区分
onomichi-u